「簿記のネット試験ってどんな試験?」
「統一試験よりも難しいの?」
こんな疑問を持っていませんか?
実は、ネット試験は従来の統一試験よりも気軽に受けられる試験なんです。
なぜなら、ネット試験はいくつかの点で、受験者にとってリスクの小さい試験となっているから。
この記事では、そんなネット試験の特徴と利点をまとめています。
この記事を読み終えると、ネット試験をうまく活用して、自分のペースで簿記の取得を目指せるようになります。
ネット試験ってどんな試験なんですか?
ネット試験は受験者にとってメリットの大きい試験だよ。
ネット試験(CBT方式)とは
簿記のネット試験(CBT方式)とは、コンピュータ上で日商簿記検定を受験できる制度です。
通常の統一試験が年3回で試験日も決まっているのに対し、予約さえ取れれば「いつでも」受験できる点がメリットとなっています。
まずは、ネット試験と統一試験の違いを見てみましょう。
ネット試験 | 統一試験 | 団体試験 | |
---|---|---|---|
会場 | テストセンター | 学校、会議室など | 企業・教育機関が用意した会場 |
試験日 | 各試験センターが定める日時において随時受験可 ※統一試験の前後に休止期間あり | 6月第2日曜日 11月第3日曜日 2月第4日曜日 | 随時 ※申請した企業・教育機関と地元商工会議所の調整のうえ決定 |
申込方法 | インターネットから申込 | 受験希望地の商工会議所で申込 | 希望する企業・教育機関が所轄商工会議所に申請 |
試験方式 | コンピュータで解答 | 紙上に解答 | 紙上に解答 |
出題範囲 | 日本商工会議所が定める「簿記検定出題区分表」に則して出題 | ||
合格基準 | 70%以上 | ||
合否判定 | その場で判定 | 2週間後~ ※商工会議所により異なる | 7日後~ ※商工会議所により異なる |
受験料 | 2級:4,720円 3級:2,850円 +事務手数料550円 | 2級:4,720円 3級:2,850円 | 2級:4,720円 3級:2,850円 |
いつでも受けられるのはうれしいです!!
勉強の進み具合にあわせて受けられるのがいいね。
申込について
簿記のネット試験はこちらのサイトから申し込めます。
申込手続きはインターネットで完結しており、いつでも申し込むことができます。
ネット試験/統一試験の評価について
「ネット試験の社会的評価って、統一試験と比べると低いの?」
こう思っている方もいらっしゃいますので、説明しておきます。
出題範囲・問題の難易度・合格基準いずれも同じです。
合格した場合は同等の資格を得ることができます。
日本商工会議所HPより
上記の通り、両者に差はありません。
ネット試験合格者も、履歴書などに「日商簿記検定(○級)取得」と記載できます。
実際の試験でも、統一試験の出題形式と試験時間が、2021年6月の第158回試験よりネット試験にあわせて統一されました。
資格の価値は一緒なんですね!
そうなんだ。
どちらも「日商簿記検定合格」になるよ。
ネット試験と統一試験のどちらを受験したらいい?
「ネット試験と統一試験の違いはわかったけど、結局どちらを受けたらいいの?」
ここまで読んで、こういった疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?
結論を言うと、どちらを受けるか迷っているなら、ネット試験がオススメです。
なぜなら、ネット試験は統一試験と比べて、受験者に有利な点があるからです。
①好きな時に受けられる
②合格率が高い
③すぐに再試験を申し込める
④結果がすぐに分かる
⑤基本的な内容が出題される
それでは、以下で具体的に見ていきましょう。
ネット試験ってたくさんのメリットがあるんですね!
そうなんだ。
これから詳しく説明していくよ。
メリット①:好きな時に受けられる
ネット試験は自分で試験日を決められ、さらには予約日の変更・キャンセル(※受験料振込後はキャンセル料が発生)もできます。
つまり、自分の勉強ペースに合わせて試験日を調整することが可能です。
例えば、短期間で取得したいなら、合格する実力が付き次第申し込むことができます。
予約した試験日に勉強が間に合わなくても、延期してもう少し勉強するといったことも可能です。
実際に、統一試験の受験を辞退する人が毎回受験申込者の20%ほどいます。
ここからも、受験日に勉強を間に合わせる難しさが分かります。
ですので、そういったリスクを背負わずに自分の都合に合わせて試験日を決められるネット試験の方がオススメできます。
メリット②:合格率が高い
以上のように、ネット試験は、ある程度実力のある方が受験します。そのため、ネット試験は合格率が高くなる傾向にあります。
実際のデータを比べて見てみましょう。
簿記3級
統一試験
ネット試験
簿記2級
統一試験
ネット試験
出典:商工会議所
試験回によってバラつきはありますが、ネット試験は安定して合格率が高いのがわかります。
メリット③:すぐに再試験を申し込める
万が一落ちてしまった場合にもすぐに再試験を申し込めます。
せっかくがんばって勉強したのに、惜しくも不合格だった…。
そんなとき、統一試験だと次の試験まで3ヶ月以上空いてしまい、せっかく覚えた内容を忘れてしまったり、最悪の場合、モチベーションを保てずに取得をあきらめてしまう可能性もあります。
しかし、ネット試験ならそういった心配はありません。
自分が受けた試験の得点はその日にわかります。
各大問ごとの得点まで開示されるので、間違えてしまったテーマを復習し、解けるようになった段階で再度受験することができます。
もちろん再受験すると余分に費用は掛かりますが、日商簿記はそれだけの価値のある資格です。
メリット④:合否がすぐにわかる
ネット試験では試験直後に結果がすぐにわかります。
統一試験は結果発表まで2週間ほどかかりますが、ネット試験合格者はその2週間を有意義に使うことができます。
転職活動に活かすのも、更なる上位資格を目指すのも自由。
せっかく取った資格を効果的に使えるという点においても、ネット試験が有利です。
メリット⑤:基本的な内容が出題される
統一試験は受験回によって難易度が大きく変わる回があります。
たとえば統一試験の3級だと、157回試験は合格率67.2%なのに対して、その次の158回試験は合格率28.9%と、半分以下の合格率です。
一方で、ネット試験は基本的な問題がランダムに出題されると言われています。
そのため、難易度のばらつきは比較的抑えられると考えられます。
以上のようなメリットから、ネット試験は簿記の資格を取る近道と言えるでしょう。
わたしはネット試験を受けます!!
努力が報われやすい試験なのでがんばってね。
ネット試験に向けてやっておくとよいこと
ここまではネット試験のメリットについて取り上げてきました。
しかし、いくらネット試験が便利な制度であっても、受験時の解答方法などを全く知らないまま受験するのは危険です。
学習内容自体は統一試験と同じで問題ありませんが、CBT用の準備はしておいた方が無難です。
CBT試験にぶっつけ本番で挑むと、入力方法に戸惑ったり、慣れない操作に時間を取られたりする可能性があります。
せっかく答えは合っているのに、試験とは関係ないところで落としてしまう…。
そんなもったいないことにならないように、やっておくべきことをまとめてみました。
CBTの操作方法を知っておく
簿記のネット試験では、以下のような解答上の注意があります。
- 仕訳問題の勘定科目は選択式
統一試験では勘定科目群から選んで記入しますが、ネット試験ではプルダウンリストから選択します。
- カンマは自動入力される
金額を入力して確定すると、カンマが自動的に入力されます。自分で入力する必要はありません。
加えて、CBTの操作自体にも多少癖があるため、動画を見たり、模擬試験をやってみる方が理解が進むと思います。
ちなみに、こちらのTACの動画が操作方法に絞って解説されていてオススメです。
また、無料でできるネット試験の模擬試験をまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
用紙に書き込まずに解く練習をしておく
ネット試験では問題・解答が画面上に表示されるので、ちょっとしたメモやアンダーラインも書き込めません。
その対策として、問題・解答用紙に書き込まずに解く練習をしておきましょう。
本番ではA4の下書き用紙が2枚配られるので、練習でも書き込みをすべてA4用紙にすることで、本番を想定した練習ができます。
特に、普段から問題文に書き込む癖のある人は絶対に練習しておきましょう。
しっかり準備して、絶対合格するぞーっ!!
ネット試験特有の操作方法に慣れれば大丈夫だよ。
まとめ
簿記のネット試験は
・今すぐ申し込める
・出題範囲や資格の価値は統一試験と同じ
・準備万端で受験できるため、合格率も高い
・事前にCBT のことを知っておけば万全
この記事では、簿記のネット試験の特徴についてまとめてきました。
簿記のネット試験はそのメリットがデメリットを大きく上回っており、受験者にとってはまさにチャンスです。